Messerschmied Graf、フォルケッツヴィール
未来の刃物職人を鍛え上げる
Messerschmied Graf、フォルケッツヴィール
ビクトリノックスの「最後の刃物職人」が引退したのは2016年のことです。しかし、このオートメーションの時代にあっても、手でナイフを研ぎ出す伝統技術を身に着けた刃物職人の存在は重要です。ビクトリノックスで、この50年で初めての見習い職人が昨年から修行を始めたのもこのためです。
スイス・マスター・カトラーズ組合の徒弟制度委員会の会長であるフェリックス・グラフ氏は、スイスのすべての見習い刃物職人のための訓練プログラムと講義計画の作成を担当しています。グラフ氏は、見習いの雇用を希望する企業と、意欲あふれる見習い職人をつなぐ接点でもあります。修行期間を締めくくる最終試験の実施や、教育に関する新規制を施行することも職責の一つです。
グラフ氏の努力により、現在ビクトリノックスに4年間のプログラムで修行中の若い見習い職人が1人おり、他にもスイス国内で3名の見習いが現在修行中です。
本人も認めることですが、次世代の刃物職人の育成に取り組むことは、根っからのナイフ職人であるフェリックス・グラフ氏にとっては自然な流れと言えます。グラフ氏は、1921年に祖父が設立した刃物工房を自ら運営しています。そして、ナイフづくりに興味を持っている人々のための講座で、その卓越した知識の継承に励んでいます。ビクトリノックスを経営するエルズナー家の中にも、グラフ氏のナイフづくりコースを修了した者がいます。